古川 泰典 さん 『春爛漫』
この年は今年の様に冬が厳しく、春の訪れの遅い年でした。その分一斉に花開いて、線路はさながら菜の花の回廊に・・・。頭上の桜の花も加わって春爛漫の様相を呈しています。薄曇りの空模様にこの雰囲気がそがれぬよう、撮影した際には幾分ハイキー調を狙ってみましたが、スキャナーで取り込んだ原稿から伝わりますでしょうか?この場所にはその後も幾度と通いましたが、この時ほど菜の花が美しくたくさん咲いた年はありませんでした。花と鉄道の写真といえばこの写真が私の原点です。残念ながら谷汲線はもうありませんが、また日本のどこかで桜と菜の花と鉄道の素晴しい競演をカメラに収められれば、と思っています。
1996年4月10日/名古屋鉄道谷汲線北野畑付近/1/250秒 f4/ニコンF4s/Aiニッコール135mm F2.8S/コダクローム64
古川さんのおっしゃるように菜の花は毎年咲く場所や量に変化があり、同じように撮影するのは困難な花でもあります。菜の花の黄色と緑、桜の淡いピンク。そしてこの電車。どれも打ち消しあわず非常に綺麗な配色でまとめられています。もうこの姿がみられないのは残念ですが、日本にはこのような素晴らしい景色がたくさんあります。またこのような素晴らしい作品を我々に見せていただきたいと思っています。
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