第2回

|

『鉄道写真2004』の表紙を撮影後、バッグから取り出したマーク2の初仕事がこのショットです。ワイドで狙った表紙候補とは異なり、望遠系のズームで撮影しています。抑え写真というよりは、別の狙いで、どちらかというと本誌向きを意識して作画しています。背景をやわらかにぼかしたのは、この日の513の印象が優しかったからです。係員が急行板を装着しています。黒野で。
撮影データ
1/1000秒 F5,6 ISO100 RAW。
Photo : Naotaka Hirota |
|
最近、2台の新型デジタルカメラを使ってみました
使ったカメラは、キヤノン”EOSー1Dマーク2”と、
”エプソンR−D1”です。
マーク2は1Dの後継機として、2004年5月初旬に発売されました。購入後、直ちに本務機にという衝動に駆られましたが、冒険なので、とりあえずは予備機として仕事に初参加です。
本務機EOS−1Dsと同じバッグに入れて向かった先は岐阜でした。
『RAIL MAGAZINE』7月売り号用の特写で、名鉄600V線、510型を撮影するのが目的です。20日の撮影前日現地に到着したときは雨降りでした。マーク2使用は翌日、太陽の光も安定してからです。ファーストショットは『鉄道写真2004』の表紙撮影(本誌の特集特写の合間に素早く)が終わってから、あくまでも抑えでしたが、華のデビューです。
このカメラのインプレッションは、すでに先に使用している泉の言うとおり、的確に稼動しました。操作面は、これまで使用している1Dや1Dsとほぼ同じなので、違和感はありません。初カメラなのに、前から使用しているような馴染み具合で好感が持てました。
ただ、シャッターは多少粘りを感じましたが、これは調整可能でしょう。画像記憶用のメモリーカードを2種使えるのは、バックアップの意味からも強い味方になりそうです。
今回はふだん使用しているコンパクトフラッシュだけでしたが、後から記すエプソンR−D1と同じSDカードも使えます。ファインダー像は1Dsと比べると劣りますが、現場で戸惑いはありませんでした。雨対策は多分進んでないでしょう。雨の中では今回、フラッグシップの1Dsのみを使用しましたが、後部液晶の文字が下半分見えなくなりました。2週間後には自然復元していましたが、一度工場で点検したほうがよさそうで、近日中にキヤノンサロンに入れたいと思っています。
これから梅雨になりますが雨に弱いカメラを持っていると、それだけで不安が付きまといます。
電池の持ちは驚異的だと、今回はビデオカメラを持参して、共に撮影した泉の言葉です。1Dsは2GB、RAWでおよそ200枚しか持ちませんが、「感覚的には倍以上いけるはず」だそうで心強さを覚えました。このときの写真は少し遅くなりましたが、6月9日に編集部に持参します。
このところ、講談社と山と渓谷社から発売される新幹線の単行本に没頭していたため、遅れての入稿です。これから編集レイアウトに入りますので、マーク2の写真がどのように扱われるかドキドキです。
ところで新しいカメラはトラブル皆無というわけにはいきません。
泉が真っ先に伝えてくれましたが、マーク2は残念なことにピントが不正確なのです。
名鉄600Vでの初仕事では、510型などの走行速度が遅いため欠陥は皆無でしたが、高い速度の走行列車などでは、AIサーボが不正確なときが出ています。聞くところによると、せっかくマーク2を購入したのに、手放した1Dを買い戻したというプロカメラマンもいるとかいないとか。特にレースを専門に撮影する人たちは困惑混乱状態なんだそうです。
他メーカーなどのレンズを10Dに使用すると、後ピン傾向があると噂されているのは、自社製品レンズを使わせる戦略とも受け取れますが、今回のものはそれとはちょっと違うようです。いずれにしても早い時期に対策が講じられることを期待します。いいスペックのカメラなのですから。

(1) Photo : Naotaka Hirota
(2) Photo : Naotaka Hirota
『大人のデジタルカメラ』Vol.5(5月号)“下町ライカレンズ旅都電編”に掲載した写真です。巻き上げ角度はライカM3のダブルストロークに近い感覚、シャッターはライカそのもの、押せば直ちに反応するから走行列車やスナップに最適で、デジタルを忘れさせるほどです。(1)は停留所の椅子にのせた、沿線名物“都電もなか”。(2)は撮影する私の影。このときのレンズは、ボディメーカーと同じ、フォクトレンダーを持参しました。この号では“ワンランク上の写真修整”の記事造りにも参加しています。
撮影データ
(1)スーパーワイドヘリアー15mm
F4.5 1/15秒 F22 JPEG
(2)ウルトロン35mm
F1.7 1/125秒 F22 JPEG
|
|
ライカに近いデジタルカメラ、エプソンR−D1は7月ごろ発売されるそうです。それに先立ち、2〜3ヶ月前の『大人のデジカメ』誌で使用記を発表しました。
また、『カメラマン』誌では、7月号に同じく使用記が掲載される予定です。
2回にわたる使用感は、「こりゃ、ライカファンがデジタルするには最適のカメラだ」で、これにつきます。操作感覚がライカなのです。巻き上げないとシャッターは切れないし透視ファインダーだからブラックアウトがありません。レンズの味がざっくり、がっちり、きらびやかに画像に定着するから、もう手放せないカメラの1台になること請け合いです。
それからレンズといえば30年以上前のものは、材質の影響でガラス自体が黄色く変色しています。モノクロームならいざしらず、これでリバーサルを撮影すると全体が黄色く染まってしまいます。
それがデジタルなら大丈夫。きっちりホワイトバランスを修正してくれるのです。
”ホワイトバランスオート”に設定しておけば白くあるべきところは純白というわけで、これまで机の中にあった過去の名レンズたちが21世紀の世界でよみがえるのです。ライカファンならぜひ所有したいアイテムであることは間違えありません。
ところで私の沈胴式ズミクロン50mmスクリューマウントは、大部分がまっ黄々です。でも今度は使えそうです。今度はというのは、これまで私が試写したカメラは完成品ではなく、ところどころ未完の部分があったからです。6月9日に3回目のカメラが手元に届きます。これはかなり市販製品に近いそうなので楽しみです。
では広田はR−D1を買うかというと、「う〜ん」です。なにしろ高い。
20万円前後ならいいのですが、30万円台となれば考えてしまいます。
30なら仕事でほしい機材が優先しそうだし、趣味的には程度のいいM3を購入してもお釣りがきそうだからです。
エプソンR−D1は、なにゆえ高価なのか?
想像ですがボディ関係がOEMというのも一因かもしれません。
それから軍艦部の針式インディケーターがSEIKOの高級腕時計の技術と部品を注ぎこんだ点も価格に跳ね返っているようです。ほかのカメラはこのあたり、比較的安価にできる液晶ですが、針式と液晶とを比べた場合、アナログ感覚の針式のほうがビギナーに優しいし、何より見やすさの点では断然針式です。液晶は晴天屋外では、何がなんだかわかりません。
エプソンはこのあたりには大変なこだわりようだったと、カメラマン誌編集長の日比野さんが語ってくれました。こだわりのカメラであることは、使ってみるとビンビン伝わってきて気分爽快です。今度のカメラは2ヶ月くらい長期間使用可能だそうです。その間にどんな結果が出ますやら。
30万円なら安い、という結論になっていたりして・‥。
‥‥という訳で、私の写真は現在整理中です。
近日中にアップ予定ですのでお待ちください。
【尚敬 最近の仕事】
『カメラマン』誌(モーターマガジン社発行)6月号 24〜25ページ。
プロ10人のデジタル機材特集に登場しています。
作品2点と共に、ズバリ直撃Q&Aに本音で対応しています。
≫≫カメラマンのサイトへ

最初に使用したR−D1は我が家に1泊だけ、2回目の『カメラマン』使用記では2泊してくれました。堀ノ内の跨線橋から1/8秒で流し撮りしています。
Photo : Naotaka Hirota |
|
『カメラマン』誌7月号に、
エプソンR−D1の使用記が掲載されます。
作品3点とインタビューです。
日比野さんが担当してくれましたので仕上がりが楽しみな1冊です。
作品はたまたま久里浜に行く用事があって、その往復に京浜急行を撮影したものです。
堀ノ内の分岐はいい感じですね。
浦賀、久里浜両方向に踏切があって、跨線橋もあるからアングルに事欠きません。
同時発車もあります。
≫≫カメラマンのサイトへ
『日本カメラ』(日本カメラ社発行)7月号 鉄道小特集。
「鉄道写真の巨匠、広田尚敬が語るDigital Railway Photo」
として作品4点とインタビュー記事で4ページにまとめてあります。
ゲラ刷りを見せてもらいましたが、さすが、上手にまとまっています。
≫≫日本カメラのサイトへ

ROXのケースで眠っていたローライSL66です。
手前の大きいレンズは
テレテッサー500mmです。
Photo : Naotaka Hirota |
|
『カメラゲット』
(学習研究社発行)7月号
私の愛機というタイトル特集で、ローライSL66の思い出を表します。
作品1点のほか、カメラの紹介写真、原稿なども私が手がけました。
≫≫カメラゲットのサイトへ
『電車の写真家』(岩波書店発行)
おかげさまで仕上がりがよく、大変好評で嬉しく思っています。
文章、実は最初は4部構成として、電車の魅力、カメラのことなども半分ほど費やしましたが、編集担当者から方向が違うと書き直しを命じられました。こんな経験は初めてのことでしたが、結果、家庭で話題にしてもらえそうな幅広いものに仕上がりました。
『鉄道ジャーナル』誌に、とても好意的で的をえた書評が掲載されています。青木栄一先生が書いてくれたもので、さすがという感じです。
書評ではそのほか、『クロワッサン』6月25日発売号に出るとマガジンハウス社からファックスが入りました。
詳しくはこちら
≫≫岩波書店のサイトへ
『RAIL MAGAZINE』(ネコ・パブリッシング社発行)6月売り号
巻頭25ページにわたり、「石北本線DD51重連添乗ルポ・常紋越え」を掲載。
取材は雪の降る3月に行いました。名取紀之編集長肝いりのテーマです。文章は椎橋俊之さん。
≫≫レイルマガジンのサイトへ
 |

名取紀之編集長から“常紋”のレイアウトが到着しました。巻頭部分のモノクロコピーですが、雑誌になる場合はもちろんカラー印刷されます。
グラフィックデザインは清水幹夫さん。
Photo : Naotaka Hirota |
|
『RAIL MAGAZINE』7月売り号
巻頭に来年姿を消す名鉄600Vの名優、510型を中心にした大型ルポルタージュが掲載されます。ここで抑えにマーク2を使用しています。同時撮影したビデオのDVDが付録につくそうです。
≫≫レイルマガジンのサイトへ
のりものアルバム『しんかんせん』(講談社発行)8月刊
現役新幹線のかっこいい写真を100点集めた絵本です。
広田泉との共著とはいえ、半数以上が泉の作品です。
のりものアルバムは、子供たちが幼稚園通いのころ企画制作を始めたもので、岩田編集長、広田尚敬、せい子が何回にも渡る会議を重ねて制作したものです。
広田せい子は現在園芸研究家としてNHKテレビなどで活躍しています。元講談社社員。企画には3児の母として参加しました。
≫≫講談社のサイトへ
『新幹線・開業40周年記念号』(山と渓谷社発行)8月刊
東京オリンピックの前年開業から今日までの車両写真を厳選して紹介しています。
車両の姿を捉えた写真では特に室内写真が豊富で充実しています。
また、沿線を感覚的に捉えた写真は圧巻で、大部分を広田泉の作品で構成しました。
これも広田泉との共著です。文はJRR坂正博さん。
≫≫山と渓谷社のサイトへ
広田尚敬
|
|
|
|